Amazon EFS が東京リージョンでも利用可能になると聞いて
2018-06-27Amazon EFS 自体は 2016年から一般に利用できるようになっていますが、もうすぐ (2018年7月) 東京リージョンでも利用可能になるようです。 正直、国内にいると他リージョンでのみ利用可能なサービスについては疎くなるので、この機会に EFS についてざっくりと調べてみました。
EFS とは
Amazon Elastic File System (Amazon EFS) はシンプルで、スケーラブル、伸縮自在なファイルストレージを、AWS クラウドサービスとオンプレミスリソース用に提供します。
(中略)
Amazon EFS は、高可用性と耐久性を実現するよう設計されたリージョンでのサービスで、ウェブ配信やコンテンツ管理、エンタープライズアプリケーション、メディアおよびエンターテインメントの処理ワークフロー、ホームディレクトリ、データベースバックアップ、開発者ツール、コンテナストレージやビッグデータおよび分析アプリケーションなど幅広い多様なユースケースでパフォーマンスを発揮します。
とあります。
簡単に言うと、共有ファイルストレージ のことです。
EBS, S3 との違いは?
AWS のサービス内には、ストレージサービスが他にもあります。EBS と S3 です。
これらは東京リージョン開設時から利用可能で、AWS の基本的なアーキテクチャには不可欠なサービスです。
新たに東京リージョンで利用可能になる EFS と、EBS, S3 との違い・使い分けについて簡単にまとめます。
※詳細な違いについては
When to Choose Amazon EFS
を参照してください。
Per-operation latency (レイテンシー)
EFS
- 低い
- 整合性が担保されている
EBS
- かなり低い
- 整合性が担保されている
S3
- 低い
- 整合性が担保されている
- CloudFront と結合できる
Data Availability/Durability (データ可用性/耐久性)
EFS
- リージョン内の複数のアベイラビリティーゾーンにデータとメタデータを保存
EBS
- 単一のアベイラビリティーゾーン内で冗長性
S3
- リージョン内の複数のアベイラビリティーゾーンにデータとメタデータを保存
Access (アクセス)
EFS
- 複数のアベイラビリティゾーン、数千の EC2 インスタンスまたはオンプレミスサーバ
EBS
- 単一のアベイラビリティゾーン内の、ひとつの EC2 インスタンス
S3
- Web 上からの数百万の接続
Use Cases (ユースケース)
EFS
- Web サービス
- コンテンツ
- アプリケーション
EBS
- ブートボリューム
- NoSQL データベース、データハウス
S3
- Web コンテンツ、メディア
- バックアップ
- 大規模データの分析
EFS の利用で何が変わる?
一番 おぉ! と思うのは、EC2 インスタンスをスケーリングするときのことを考えた場合です。
高負荷時にスケールアウトする場合、元となる AMI から新しい EC2 インスタンスを起動すると思います。
ある WEB サービスを運用するにあたって、何かしらバージョンアップ等を実施した場合、デプロイするときにマスターの EC2 インスタンスはもちろんですが、スケール時に使用する AMI の更新も必要になります。
しかし、アプリケーションの置き場所を EFS にすると、デプロイはそこだけを対象にすればよくなり、スケール時には EC2 インスタンスのみの起動を考えて、アプリケーション自体のバージョンを気にする必要がなくなります。
デプロイやスケールのアーキテクチャがよりシンプルな形になりそうな気がしています。
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