Ableton Live を MCP Server で操作する
2025-12-01世の中には様々な MCP Server が存在しています。今回は、 DTM ソフトウェアの Ableton Live を操作するための MCP Server を試してみます。
前書き
この記事は michimani のひとりアドベントカレンダー2025 の 1日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/12498
このアドベントカレンダーでは、カテゴリを決めず、とりあえず 25日間連続で何かしら書くことを目的としています。
概要
Ableton Live を操作するための MCP Server はいくつか存在しています。
- ahujasid/ableton-mcp
- Simon-Kansara/ableton-live-mcp-server: MCP Server implementation for Ableton Live OSC control
今回は前者の ableton-mcp を試してみます。
環境
環境は下記のとおりです。
- macOS 15.6.1
- Ableton Live 12.3
やってみる
基本的には ahujasid/ableton-mcp の README.md の手順通りに作業すればよいと思っていたのですが、実は情報が古く、最新の手順としては PyPI の説明を参照する必要がありました。
以下、作業手順です。
必要なツールのインストール
まず、作業実施において下記のツールが必要になります。
- Python 3.8 以上
- uv
私の環境では既にインストール済みでしたが、インストールされていない場合は brew install uv でインストールしておきます。
Claude Desktop の MCP Server 設定を変更
Claude Desktop で ableton-mcp を利用するために claude_desktop_config.json に設定を追記します。
{
"mcpServers": {
"ableton": {
"command": "uvx",
"args": [
"ableton-mcp"
]
}
}
}
これで、 Claude Desktop から Ableton Live を操作するための MCP Server が起動するようになります。
この MCP Server の役割は、ユーザーが Claude Desktop で入力したプロンプトを解釈して Ableton Live のリモートスクリプトを実行することです。なので、これだけでは Ableton Live を操作することができず、 Ableton Live 側に ableton-mcp からのコマンドを受け付けるリモートスクリプトを配置する必要があります。
Ableton Live にリモートスクリプトを配置
配置するリモートスクリプトは
ahujasid/ableton-mcp
の AbletonMCP_Remote_Script ディレクトリです。
このディレクトリをダウンロードし、 Ableton Live アプリのパッケージ内に配置します。
- Finder で Ableton Live アプリを右クリックし、「パッケージの内容を表示」を選択
Contents/App-Resources/MIDI Remote Scripts/ディレクトリにAbletonMCP_Remote_Scriptディレクトリをコピー
もしくは下記を実行。
cp -R /path/to/AbletonMCP_Remote_Script /Applications/Ableton\ Live\ 12\ Suite.app/Contents/App-Resources/MIDI\ Remote\ Scripts/
配置したら Ableton Live を起動します。(起動済みだった場合は再起動)
起動した後、 Ableton Live の環境設定にて Link, Tempo & MIDI タブを開き、 Control Surface (コントロールサーフェス) のドロップダウンリストから AbletonMCP Remote Script を選択します。Input と Output は両方とも None を選択します。
Claude Desktop から操作
あとは Claude Desktop から Ableton Live を操作するだけです。
プロンプトの例として、下記のようなものを投げるとそれっぽいベースラインを作ってくれます。
Prepare a set to record a rock band Set the input routing channel of all tracks that have “voice” in their name to Ext. In 2. Then, create sample sessions.
ちなみに、試しに日本の童謡である「ぞうさん」のメロディーを組み込んでもらおうとしましたが、本来の「ぞうさん」とはかけ離れたメロディーが生成されてしまいました。既存楽曲のメロディー作成には向いてないかもしれません。
おわりに
今回は Ableton Live を操作するための MCP Server である ableton-mcp を試してみました。
Ableton Live は非常に多機能な DTM ソフトウェアで、私はまったく使いこなせていません。今回のように MCP Server 経由で操作できるようになると、より柔軟に Ableton Live を活用できるようになるはずなので、今後も色々試してみたいと思います。